今月号の総力特集は、「ウクライナ危機、中露の膨張」である。2月24日、世界に衝撃が走った。ロシア軍がウクライナの軍事施設に対する攻撃を始めたと発表した。今次のウクライナ危機はキューバ危機まで引き合いにだされる事態だが、国際秩序に大きな傷を与え、世界が混迷に向かっているのは間違いない。ロシアの行動を支持する中国も膨張を止めることはないし、北朝鮮もミサイルを連発するなど不穏な動きをみせている。「複合危機」が生じかねない現実を前に、日本はじめ西側諸国はいかに対処するべきか。プーチンとバイデンという米露首脳の「判断ミス」を指摘する宮家邦彦氏、軍事や地政学の観点からロシアの狙いを考察する長島純氏、エネルギー覇権をめぐる世界の現在を語るダニエル・ヤーギン氏など、さまざまな角度から現在の危機を紐解く。アメリカの苦境を論じる森本あんり氏と村田晃嗣氏の対談も必読。日本外交の要諦を語る谷内正太郎・元国家安全保障局長の巻頭インタビューと併せてご一読願いたい。特別企画は「デジタル防災が守る日本」。東日本大震災から11年目のいま、安宅和人氏らが新時代の防災の在り方を考える。また今号では、橋下徹氏による特別追悼論考「酒と政治は『体温』だ――石原慎太郎さんの遺訓」も掲載。