カンタとゴンタは、兄弟。でも、弟のカンタと兄のゴンタは別々の小学校に通っています。ゴンタはすこし耳が聞こえにくいので、その学校に通っているのです。ゴンタは絵も上手、ケンカも得意、なんでも頑張るのでクラスのリーダー的存在。でも、弟のカンタは、なんとなく自分に兄がいることを、学校で話せずにいました。それどころか、教科書に「きょうだい」という文字がでてくると、ドキドキするくらいでした。カンタには、お母さんはゴンタの方を向いてばかりいるようにも見えました。しかしカンタの学校に、ゴンタがクラスメイトと一緒にやって来た日、ゴンタが家に帰ってきて、弟に「ごめんな」と言ったのです。それを聞いたカンタは、いままでの自分の態度を、じっと考え始めます。翌朝、兄に寄り添うカンタが登校する姿をお母さんが優しく見送るのでした。聞こえにくい子もそうでない子もみんな頑張っている、作者の優しいメッセージが聞こえてくる絵本。