本書は、「掃除の神様」鍵山秀三郎氏(イエローハット創業者、NPO法人日本を美しくする会相談役)の教えを真摯に学び、忠実に実践している企業(法人)の取り組みを描いたものである。じつは、鍵山相談役に出逢う前の経営者たちは、会社の経営に悩み、先の見えない不安に押しつぶされそうになっていた。ところが、鍵山相談役に出逢ったことで、人生観や経営観が大きく変わり、黒字経営に転換したり、おだやかな社風になったり、地域から感謝されるようになったりと、会社が生まれ変わったのである。その具体的な過程を紹介しているのだが、別に社員に掃除を強制したわけではない。ただ、自分たちの職場をきれいにしようという簡単な取り組みからスタートしただけである。それから徐々に掃除の範囲を広げていくことで、大きな成果をもたらしたのである。実際、コロナ禍にあっても、どの会社も健全経営を貫いている。それもまた「鍵山掃除道」の真髄といえよう。