高良が澪の前から姿を消して二年――。命の期限が迫っている澪は、自らにかけられた呪いを解き、高良とともに生きる道を探すため、多気女王が亡くなった地に狙いを定め、熊野に向かう。死者の魂がこもる地で久しぶりに逢った高良は、「冬至になったら、帰る」と言い残し、再びどこかへと去っていった。京都に帰った澪だが、高良の言っていた言葉が忘れられず、冬至の日に、熊野を再訪する。彼らは巡り逢うことができるのか。そして前世からの宿縁で結ばれている二人を待ち受けている運命とは。人気の呪術幻想譚シリーズ完結編。文庫書き下ろし。

