あらすじ「[証言録]海軍反省会」の第8巻。第60回から、第68回までを収録する。第60回では、開戦前後の時期における、軍令部作戦課長・富岡定俊と連合艦隊先任参謀・黒島亀人の対立について、「海軍の悲劇であった」という佐薙毅の発言が見られる。第63回では、「い号作戦」「ろ号作戦」の実施は、永野軍令部総長の失言のつじつま合わせであったことが明らかとなる。第64回では、軍令部における伏見宮問題の今だから言える話が展開。第65回では、軍令部における情報共有の危うい事実が、末国発言によって明かされる。第66回では、及川古志郎大将の評価をめぐって、三代氏と大井氏が感情むき出しで激しい言い合い……など、回を重ねるにつれて、自由闊達な発言態度が見られるようになっており、興味深い発言が数多く出現している。建前は史料として発刊しているシリーズであるが、読み物としても魅力十分な一冊である。