4月号は「地獄の中東、日本の覚悟」との総力特集を組んだ。曽野綾子氏と笈川博一氏は対談で、「現代が十九世紀なら、ISILは立派な国家」であり、「国家とは何か」という問題提起を行う。日高義樹氏はアメリカの専門家の考えとして、中東における問題は「ISIS(イスラム国)よりもイランのペルシャ王国復活の野望であり、テヘランを中心にイラクやシリア、ベイルートを含めた一大帝国の再現」なのだという。一方、兵頭二十八氏は「石油が産み出すあぶく銭が世界を攪乱している」とし、仕掛けたのはアメリカとサウジアラビアだ」と読む。中谷元防衛大臣は、「自衛隊が現行法上できることは邦人輸送に限られています。邦人を救出することは許されません」と述べ、法改正の必要性を指摘する。第二特集は、「歴史の常識を疑え」と題し、先の大戦で描かれてきた歴史のストーリーに違う角度から光を当てた論考を紹介する。当時の新聞記事と写真から、東京無差別爆撃の真相を暴いた水間政憲氏。いずれも日本人が何気なく信じている歴史の一頁に疑問を投げかけた力作である。他に、2大インタビューとして、室町時代の観阿弥、世阿弥の流れを汲む観世流の二十六世宗家の観世清和氏に、能楽堂を渋谷の松濤から銀座に移転させる理由などを聞いた。また、東大生の就職先として人気の高いDeNAの設立者である南場智子氏に、「これからの日本人に求められる四つの力」について話を伺った。