1月下旬、安倍総理はダボス会議で靖国参拝について問われ、「国家のために命を捧げた方々に祈りを捧げるのは当然のこと」だと説明。しかし、案の定中国と韓国が反発し、それを聞いた欧米メディアも曲解した。国や家族のために尊い命を犠牲にした先人を尊敬しないのでは、いまに生きる誰が国や家族のために命を懸けようと思うのか。国家指導者が戦没者に尊崇の念を込めて靖国神社に参拝するのは、当然のことであり、国民として誇りに思う。中韓からとやかくいわれる筋合いのものではない。「靖国批判に反撃せよ」との総力特集では、小川榮太郎氏が「靖国参拝は純粋に精神的価値であって、外交的な駆引きが本来存在しようのない事案」と喝破する。岡崎久彦氏は靖国参拝問題も従軍慰安婦問題も、実は日本(のメディア)から提起され、戦後の歴史問題が歪められたと説く。在米特派員の古森義久氏は「日本側としては米国や国際社会に対して靖国参拝の真実を粘り強く知らせていくべきだ」という。長期戦を覚悟のうえで、世界の理解を得るしかない。特集「日本経済に春は来るか」では、金融緩和の出口戦略の難しさをどう解釈するか、4月からの消費税増税の影響と成長戦略について考えた。岩井克人氏は「アメリカ経済の悪化によって株価が下がったと判断するのは早計である」と、その実体経済がまだ回復期であると読む。原田泰氏は「法人税減税とTPPは効果がある」が、公共事業については再考を促す。一方で、藤井聡氏は巨大地震に備え「東京強靭化は五輪成功のために必要不可欠だ」とする。ところで、今月号が発売されるころには、新しい東京都知事が誕生しているだろうが、首都高撤去の提案と「核のゴミ」論争について、専門家が斬新な提言を行なっている。東京都民でなくとも、ぜひご一読いただきたい。