日本には国益を損なう制度が根雪のように残っている。首相や閣僚を2カ月拘束して何も変えない予算審議。ほとんど不要な参院は「ねじれ国会」で有害に変わる。9条堅持で「普通の国」、憲法を空洞化させる護憲派。高齢者への福祉優先で子供の安全は後回しの自治体。4年に3回は大型選挙。政治をしている暇がない……。日本には中長期的に解決すべき多くの課題が山積しているが、政治家は勇気をもって抜本改革に踏みだそうとはしない。このままでは日本が立ちゆかなくなる。 重要課題だと理解しながら、なぜ手を付けられないのか、どうすれば解決できるのか――。近視眼的になりがちな日本政治の抱える根本的問題について、豊富な取材経験を持つ日経記者がわかりやすく解き明かす。