この書籍の舞台は、女子高校。著者の高巖氏が稲盛哲学の授業を進め、女子高生が学んでいくスタイルを取っている。 なぜ稲盛哲学と女子高生なのか。それは著者の2つの経験が基になっている。 1つは、2014年3月までの7年間「京都大学京セラ経営哲学寄附講座」の客員教授を務め、稲盛和夫氏の思想に肌で触れたことだ。もう1つは、都内のある女子高で数年にわたり「経済、社会、経営、哲学」に関する特別授業を行い、女子高生たちとのやりとりを通じて彼女たちの感性を感じ取った経験だ。 現代を支える自由至上主義や社会自由主義といった社会哲学が限界を迎えるなかで、稲盛哲学はそれらを超える「第三の社会哲学」といえる。ビジネスマンだけでなく、これから社会をつくっていく高校生や大学生にも稲盛哲学の意義と実践の必要性を理解してもらいたい――。そんな著者の思いがこの1冊に結実している。