フラット化する世界で勝ち抜くために必要な基本中の基本に絞った経営戦略論。BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)マトリックス、マイケル・ポーターのファイブフォース、競争優位、SWOT分析は、経営戦略では定番の分析ツール。大学のビジネススクールでは、こうしたツールを使った演習で企業の内部分析、事業戦略、多角化、M&Aなどが徹底的に叩き込まれる。だが、こうしたツールを使って、経営戦略はうまくいくのだろうか。テキサス大学のMBAコースでアメリカ人に戦略論を教える著者は、最低限、ここを抑えていれば十分という基本中の基本に絞って本書を執筆した。著者いわく、基本を何度も繰り返せば、イチローの「素振り」がメジャーへの道を切り開いたごとく、ビジネスマンとしての「成功」を保証するという。マクドナルド、サウスウエスト航空などの事例研究もたっぷりあり、読んで楽しい戦略本といえる。