IDを制すものがビジネスを制すサイバービジネス経営の必読書 スタートアップだけでなく大手企業もサイバービジネスに力を入れていますが、参入企業が増えるに伴って事件・事故が増えているのが実情です。少し前には、大手コンビニのスマホ決済を舞台にした不正利用事件や、大手携帯電話会社や銀行も関わった事件など、ネット上で事件・事故が頻発しました。 そうした事件・事故はなぜ繰り返されるのでしょうか。もちろん技術的な問題もあるでしょうが、本書の著者は「経営者がサイバービジネスの核心となる知識を持たない限り事件・事故は繰り返される。そうした状況を変えたい」との思いから本書を書いたと言います。 サイバービジネスの核心を説明するにあたり、GAFAと他のネット企業との本質的な違いに触れています。多くの企業は「アプリケーション」や「サービス」を中心にしていますが、GAFAは「デジタルアイデンティティー」を中心にしています。この「デジタルアイデンティティー」こそ、GAFAがサイバービジネスの勝者になり得た理由であり、サイバービジネスの核心だと言います。 「デジタルアイデンティティー」とは何か、これを管理するにはどのような方法があるのか、安心・安全をどのように確保しているのか、個人情報やプライバシーとどう関係するのか。本書を読めばこうしたことが分かります。 ビジネスの本質を知らずして経営はできません。ビジネスの変化に伴って経営に必要な知識も変化していきます。現代の経営者は、本書に書いていることを常識としなければならないのです。