移民で出生率が上がったドイツ、「親になれない」フランスの若者、数よりも子育ての「質」が議論されるイギリス・・・・・・新たな課題に直面する欧州各国の動きを学び、日本が進む道を探る。◆日本では人手不足の影響から少子化対策が叫ばれ「働き方改革」や「女性の活躍推進」が話題を集めているが、現実の対策は各企業や個人の裁量に依存しているところが大きい。無償の教育、未婚でも充実した子育て環境など少子化対策の「お手本」として注目を集めてきたフランスは、ここ数年で出生率が減少していた。背景には、フルタイムで働く女性の増加や学業の長期化、若年男性の失業が影響している。フランスだけではない。欧州各国では新たな課題が生まれていた。例えばドイツでは、出生率は増加したものの、新生児の25%の親は外国人だった。社会保障の恩恵を受けるのは誰なのか、国内で議論が進んでいる。日本に先駆けて動く欧州各国の最新の少子化事情を、豊富なデータから読み解いていく。