明日の日本はどうなる?国家の繁栄が、社会・政治・経済・軍事に与える影響を考察する「私有財産権」「科学的合理主義」「資本市場」「輸送・通信手段」――これら4条件がそろった国では爆発的な勢いの経済成長が始まり、国民生活の「豊かさ」も大きく引き上がる。19世紀初頭に始まる西洋諸国の勃興から、戦前・戦後における日本の驚異的な成長、そしてイスラム諸国の停滞の原因に至るまでを、壮大なスケールで描き出した文明史。 第2部では、4つの要素がいつ、どのようにして作用するようになったかを述べる。まずはオランダで、次にイギリス、アメリカで相互作用が起こり、その後残りのヨーロッパと日本が続き、最後に日本以外の東アジア、という順番だ。それぞれの事例を分析することで、4要素がすべて揃わないかぎり、国が繁栄することはないということを明らかにする。 第3部では、豊かさの誕生に端を発する個人間、国家間の富の格差がどのような社会的、政治的、経済的、軍事的帰結をもたらしているかを徹底的に考察。経済成長が行き着く先の未来に何が待ち受けているかにも想像をめぐらせている。