元日経新聞記者で、現在は文章トレーナーとして企業向けの文章セミナーを開いている著者が編み出した「N式文章トレーニング」(Nは著者のイニシャル)。その「簡潔で」「わかりやすい」文章を書く3つのコツとは――1・相手に“思いを遣る”2・脱・起承転結3・新聞記者ごっこそのサワリを本書から紹介しよう。「ここで私の文章トレーニングのやり方について紹介させていただく。基本的には知識を与える教育ではない。知識は学校が教えている。あくまで自己鍛錬の手助けをするのが主眼である。「考えて、簡潔にわかりやすく書く」「書きながら考える」という標題をつけた自作の教材を事前に読んでもらい、その前提でトレーニングを始める。受講生が書いた文章の悪い点を具体的に指摘し、書き直させる。その過程で、まとめ方や書き方のコツを教える。そして考えさせ、書き直させる。添削は極力しない。したら、それ以上は自己鍛錬をしなくなるからだ。原文尊重の方針で、最後まで、本人の自力で文章を完成させる。」(第1章「わかりやすく」書けない人症候群)