ある日、母が認知症を発症した――。息子(50代独身男)は戸惑い、狼狽する。母と息子。たった2人の奮闘記が始まる。男一匹、ガチンコで認知症の母と向き合った。本書を執筆したのは、科学ジャーナリストの松浦晋也です。男性、50代。実家に母と同居しながら、気ままな独身生活がこの先も続くと信じていました。ところが、人生を謳歌していたはずの母親が認知症を患います。母の様子がおかしいと気がついたのは、「預金通帳が見つからない」と言いだした時のこと。誰だって、自分が確立した生活を崩したくないもの。様子がおかしいと認めなければ、それは現実にはなりません。そんな甘い意識から見逃した母の老いの兆候は、やがてとんでもない事態につながっていきます。初動の遅れ、事態認識の甘さ、知識、リソースの不足…。認知症の親の介護について描かれたノンフィクションストーリーはたくさんありますが、「50代・独身・男性」が1人で母の介護に向き合うケースはまれでしょう。認知症・母の介護を赤裸々かつペーソスと共に描いたノンフィクションストーリー。是非、ご覧くだい。