これは拒食と過食、両方を経験した私の十二年間の軌跡。高校一年生の夏、母に連れられて行った心療内科で、「摂食障害」と診断された。当時の身長は153センチ、体重は35キロ。しかし医者に診断されるまで、自分が病気だなんて思いもしなかった。やせ続けることは、私の正義であり誇りだったから――。通院を始め、食べなくてはいけないとわかっていても、頭の中のもう一人の『私』が許さない。『食べたら太る』『やせろ』と責め立てられ、ついに一日の食事量は水とカロリーバー一本に。精神病院への入院を経て徐々に食事ができるようになるが、今度は強い過食衝動が起こり、七か月で体重が倍増する。「空腹」も「満腹」も失い、大好きだった絵を描くことすらできなくなりながらも、自らと向き合い摂食障害になった理由を見つけ、食事へのこだわりを手放して自分らしく生きられるようになるまでを記した感動のエッセイ。今日マチ子・装画