あらすじ島津も、透も、おそらくは良も、愛にはぐくまれることを知らずにきた不幸な子供たちだった。愛を知らない孤独な魂だった。 (もう、俺は……孤独な魂のままではいない。――俺は、もう、愛することをためらわない。俺は……もう、愛されることをおそれない……) 俊一がいるから。 良や島津では得られなかった幸福感に戸惑いつつも、透は俊一に自分が変えられてゆくことを快く受け入れ始めていた――