あらすじ俊一と愛し合うようになって、ようやく透は悟ったような気がしていた。 (俺は、巽さんに恋して自分から離れ、良と逃避行をして、そのあと捨てられ、島津さんと究極の愛を確かめたまま置いてきぼりにされて、島津さんに死なれてしまったジゴロだったのに……) どれほど傷つき、どれほど『ここにいる』『そこにある』、ただそれだけの愛を求めていたか――