「純。そのままで、これを、私のと、おまえのなかに、塗るんだ」
マイケルは若者を見あげながら、ベッドサイドからゼリーの容器を手渡した。
ゼリーを手にして、興奮しながらも、純は羞恥にまぶたをふせる。
マイケルは上半身を起こすと、純の両腿をさらに押しひろげ、二本の指でなかの敏感な局所をこすって刺激した。ぐっと腰がせりあがり、純は、やめろとあえぐが、かまわずくぐもらせた指をこきざみに動かした。
「私が欲しいか、純?」
純は涙をあふれさせた眸で、せいいっぱいマイケルを見あげていた。
嗚咽をもらすまいと奥歯を噛みしめているのが、たまらなく愛おしかった。
なにも答えようとしない固く引き結んだ唇が、たまらなく憎かった。
「私は、純のすべてが欲しい……」
ひとつになった躰から、甘いすすり泣きがしていた。――本文より
『秘処』『ライド・ガイ・ライド』に続く先は――? 伝説の著者が放つ、男たちの甘いBLクライムノベル、番外編。