あらすじかつて花街として栄えた四谷荒木町は、小さな稲荷神社を中心に美酒と美食が集まる大人の街。その石畳の坂道は、不思議な街へと続いている――。仕事でこの街を訪れた行原暁生は、謎めいた芸者に誘われて、時が止まったかのような花街・荒木町へと迷い込む。なぜ自分はこの街に呼ばれたのか。どうすればもとの世界に戻れるのか。不思議なバーのマスターや半玉の少女に導かれて、行原は自分自身の過去と向き合うことに。切なく優しいラストに涙が溢れる書き下ろし長篇。