オスマン帝国、エルドアン政権…イスラーム世界を動かす求道的一大潮流!日本の武士道や少年マンガの師弟関係にも通じる修行の世界◆内容説明◆「イスラーム神秘主義」とも訳されるスーフィズム。それは今も神学、法学とならび伝統イスラームの一角をなす哲学や修行道の総称である。その究極目的は「イスラーム」を味わうこと。かつて井筒俊彦はスーフィズムの哲学的、神秘主義的な側面に光をあてた。だが、個人の精神的営みであると同時に、スーフィズムは日本の芸道や武士道、少年マンガで描かれる師弟関係にも通じる修行の世界であり、時にはオスマン帝国、トルコの政権をはじめとしたイスラーム世界を動かす政治思想運動でもある。本書はトルコで教鞭を執る著者が、思想、修行法から、食、武術、音楽をも射程におさめ、よく生きるための「実践の道」としてのスーフィズムを解説する。◆推薦◆スーフィズムを著者はこう定義する。「その中心的ストーリーは、“人は弱く、間違いを犯す存在である。しかし修行者は師の助けを通じて人間の精神的完成をひたすら目指す中で、人間を見捨てず絶えず導こうとしているアッラーの愛に気づく”ことである。」その修行の体系はまさにわれわれが「道」というものに近い。――内田樹(思想家・武道家)◆目次◆序章 イスラーム神秘主義とは何か?第一章 学問としてのスーフィズム第二章 師匠と弟子――スーフィズムの学びのネットワーク第三章 西欧とスーフィー――中東を越えるスーフィズムのネットワーク第四章 スーフィズムの修行(1)心の型第五章 スーフィズムの修行(2)心を練り上げる祈祷第六章 心の境地(1)第七章 心の境地(2)第八章 修行者の心構え――ナクシュバンディー教団「十一の言葉」第九章 五功の心――神・自然・人をつなぐ修行第十章 心を味わう――修行者の食卓第十一章 武の心――スーフィーとマーシャル・アーツ第十二章 心の詩、心の音色、詩と音楽第十三章 人の心――絶望と希望