『わたくしが立派な「悪役令嬢」に育てて差し上げますわっ! 貴女はどんな破滅の道を辿るのかしら!』
ロザリナ・ハッシュベルト侯爵令嬢は幼い頃から守護霊が視え、会話もできた。
ロザリナの守護霊はベルローズという『自称悪役令嬢』。
ベルローズの話によれば、彼女が守護した宿主は百発百中で『悪役令嬢』として破滅の道を辿るらしい。
その破滅の未来を回避するために必死に努力したが、冤罪を被せられたロザリナは婚約者であるヴィセンド第二王子に婚約破棄され、義妹に婚約者の座を奪われてしまう。
処刑や島流しはされなかったものの、元婚約者から代わりに言い渡されたことは『怪物と恐れられる辺境伯──ガイザード・ザグリオンの許へ嫁ぐこと』であった。
辺境伯邸へ移動中も守護霊のベルローズから悪役令嬢の顛末を散々聞かされていたロザリナは、不安な気持ちがいっぱいの状態で辺境伯邸へと到着する。
嫁入りしたロザリナを出迎えてくれたのは、前髪で隠されて顔が見えない、屈強な体つきの怪物辺境伯、ガイザード。
恐る恐る、婚約者となった怪物辺境伯に挨拶をしたロザリナが視たものは、ガイザードの周囲を駆け回る可愛らしい犬。
えっ!? 辺境伯の守護霊って、まさかのポメラニアン?
守護霊が視える悪役令嬢×怪物辺境伯(守護霊はポメラニアン)のラブコメディ。
『怪物と恐れられる辺境伯様の守護霊はポメラニアン(2)』には「第三章 一.私には……勿体ないほどの妻です」~「第三章 七.そんな幸せそうなアホみたいな顔をしないで頂戴!」までを収録