西田幾多郎とカール・バルに学んだ神学者・哲学者の著者が、文豪夏目漱石の世界に迫る。「則天去私」に至った明治の作家の心の内奥に迫る。
【目次より】
新版の序
序
第一章 倫敦の経験(「自己本意」の決意)
一 漱石の「自己」というもの
二 『私の個人主義』と謂わゆるエゴイズム
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九 彼の不安は何故消えたか
十 彼が倫敦で「新しく掴んだ」「自己本位」の真義 それと「東洋趣味」及び「生涯の事業」との関係
十一 「自己本位」の信念は何故『文学論』の著述を断念した後にもその力を保ち得たか
十二 『私の個人主義』に於ける漱石の体験分析の曖昧とその原因
第二章『文学論』と神経衰弱
一 帰る日まで
二 帰ってから
三 『文学論』の骨組
~
七 日露戦争 友人と門下生 表現の意欲
八 漱石は何故彼の『文学論』を「学理的閑文字」と呼んだか 漱石の神経衰弱及び創作の意欲そのものと、それについての漱石自身乃至諸家の批評との間の隔たり
第三章 作品の発展 その一
第一節 『野分』まで
第二節 『虞美人草』
第三節 『坑夫』
第四章 作品の発展 その二
第一節 『三四郎』
第二節 『それから』
第三節 『門』
第五章 作品の発展 その三
第一節 『思ひ出す事など』 修善寺の大患とその意義について
第二節 『彼岸過迄』
第三節 『行人』
第四節 『こゝろ』
第六章 「則天去私」とその後の作品
第一節 『硝子戸の中』と「則天去私」
第二節 『道草』
第三節 『明暗』
結論
あとがき
新版の跋
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