新旧両派の宗教的抗争に渦まく16世紀スペインを舞台に、太子ドン・カルロスと父フィリップ2世の対立はのっぴきならないまでに深まっていく。本書は近代史学を完成させたランケが、様々に歪められた文書の森の中から厳密な史料批判を通して、当時の国際情勢の中で父とこの対立の悲劇が終幕をめざして進行するすばらしいまでに深い歴史的世界を描いた名著。
【目次より】
訳者のはしがき
ドン・カルロス
I 批判的論述
一 これまでの諸叙述の分析
二 最も重要な論点の検討
II ドン・カルロス伝
一 ドン・カルロスの素性
二 幼少時代
三 国政への関与。結婚の諸案
四 オランダに対する関係。フリップ二世の宗教政策に関する余論
五 父に対する太子の反抗的態度
六 太子の逃亡計画。彼の監禁
七 太子ドン・カルロスの死
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