あらすじかつて歴史とは、説き去り説き来たるものとしてあった。横浜生まれの自由民権の闘士がその抜群の話術を駆使し、無念にも散っていった有為の漢(おとこ)たちの志と怒りを語り、いつしか時代に取り残されてしまった者の悲しみを嘆じ、いま幅を利かせる顕官の人物と過去の行状を暴くとき、人びとはまったく別の相貌を帯びた維新の姿を知った。薩長中心の見かたから一線を画す、史談史論の雄篇。