米国では2000年代に企業の不祥事が相次いだ。企業はコーポレートガバナンスに経営資源を投じ、規制当局は法律に基づいて監視を強めたが、不正行為はなくなっていない。筆者はこの解決策として、制度や規制を重視するのではなく、企業を率いる人に着目し、CEOのライフスタイルを調査した。その結果、不正行為と相関する資質を2つ特定した。本書では、この研究を概説したうえで、倫理的な過ちを犯しがちな「経営者にふさわしくない人」を、どのように見極めるのかについて解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年11月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。