「それ気のせいだと思います」開かずの間の共通点。遺体が動く意味。存在が記憶から消える系。怪異を分析・考察する「読み解き」の果てに絞り出される一滴の恐怖。野暮でロマンな怪談本爆誕!説明のつかぬ怪異をあえて分析、調査し、考察する。膨大な類例から傾向と真相を炙り出す手法から、取材に取材を重ね、隠された事実を掘りおこす試みまで、野暮を承知で怪の読み解きに挑んだのが本書=黄泉ときである。・ひとりでに鳴るピアノの原因・「開かずの間」の意外な共通点・「黒いひと」が出る土地の因果・プラシーボ効果のない呪いは成立するか・類話から考える「出逢い」の謎・雑貨店に現れた老人が語る「動く遺体」の原理・交換日記に書かれた「不気味なメッセージ」の犯人・三人が同時に視た「笑うおんな」の真相とは――。一見無粋な試みから浮かび上がるのは拭えぬ恐怖と心、魂の本質である。野暮なロマン「それ気のせいです」の先をご覧あれ。