※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。この書籍は、現在の混沌とした世の中を変革し導くユニークな経営学・人間学の書である。その要旨は著者の「はしがき」に明確に述べている。「はしがき」─“「新しい年を迎えるたびに、来年の“年頭訓示” でなにを話そうか。これが頭痛のタネです。なにかよい知恵はありませんかね」。経営顧問先の社長さんから、そんな相談を、うけたことがある。そのとき、ふと頭をよぎったのが十二支・十二支獣のことであった。そこで即座に「心配ご無用。“えと” にちなんだ話題をスピーチされては如何でしようか。 十二支は年ごとに去り、新たにめぐり来るので、聴く人たちにも新鮮味があって必ずうけますよ」とアドバイスしたところ、「先生、虎の巻を考えてくださいな」ということになった。言い出しっぺの私にお鉢がまわってきたものの、咄嗟の思いつきだけに妙案があるはずがない。いろいろ考えた末、次の五点についてE話をひねり出すことにした。1.十二支・十二支獣の漢字の語源とその意味を解説する。2.その年の“えと”にまつわる故事・格言・ことわざを引用してE話を導き出す。3.その年の十二支獣の習性をヒントにE話を創り出す。4.生まれ年の“えと”から人の性格を浮き彫りにする。5.その年の十二支の「おもしろ雑学」を付記する。十二支に関する書も二、三市販されているが、いずれも物語風のものであり、経営的視点からとりあげたものは全くない。故事・格言・ことわざにしても同様である。それだけに、経営コンサルタントのノウハウを披露した本書にはユニーク性があり、経営者ばかりでなく経営幹部にとっても、話の材料としての活用価値は大きく、本書は関係先へのプレゼントにも適している。また、営業マンが得意先を訪問したときにも、十二支を話題にすれば商談がスムーズにいく。“えと”われわれの日常生活と切り離すことができない関係にある。人は誰しも生まれながらに一生身につけた自分の“えと”があり、人一倍関心が強く限りない親しみをおぼえる。私は申どしで、平成四年に還暦を迎える。一休禅師の狂歌に“還暦も冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし”というのがあるが、私も還暦を人生の一つ節目として本書を上梓する気になった。その年の“えと”にちなんだ話題集を出し続けて六年経過した。毎年十二月になると、経営者の方がたから心待ちされるようになり、ファックス通信とか情報誌に掲載することによって、年賀状などにも大いに利用していただいた。十二支にちなんだ話題のファンは年々増え、“えと”が一巡し、過去の十二年分を一冊にまとめればぜひ購読したい、という要望が多くの経営者から寄せられている。幸か、不幸か、病床に臥す身になったのを機に、療養のつれづれなるままに一気阿成に書き下ろしてみた。限られた情報をもとに創作したため、足らざる点も多いと思うが、年頭訓示なり、その年のE話としてご活用いただければ望外の喜びである。”と。是非、十二支を篤学して頂き、人生や己そして社会を見つめ直して欲しいものである。編集部 山岸豊 拝 大龍堂書店刊