『週刊新潮』の「TVふうーん録」コラムニストで
フジテレビ「Live News it !」コメンテーターの
吉田 潮さんが多くの中高年が直面する「親の介護」問題。
自分の父が「認知症」となった体験をもとに、本音で書き下ろしました。
親を愛すればこそ「介護疲れ」につながる矛盾と真摯に向き合い、
著者は、一つの「答え」を導き出しました。
2018年の春、認知症の父を特養老人ホームに入れました。
ものすごくラッキーで、ものすごく速攻でした。
でもそこに至るまでの数年間、苦しんだのは老々介護の母でした。
「母を救いたい」と思ったのが、ホーム入居のきっかけでもありました。
私は在宅介護をしません。一切いたしません。
介護される父の姿をみて、母の姿をみて、心に決めていました。
実は、ホームヘルパー2級の資格も持っています。
十数年前に興味本位でとりました。 でも、これを生業にしようとは思いませんでしたし、今も思っていません。
やはり介護はプロに任せた方がいい。
老人ホームの問題は多々あるようですが、まだ入り口に立ったばかりなので、
実情はわかりません。そこはこれから長い付き合いになっていくのだろうな、と
思っています。
妻や子供が介護をするのが親孝行ってもんだろう、と言われても、私は違うと思います。
家族の介護には限界がある。
儒教の国の日本では、介護に関して、「罪悪感」が大きい。
介護と親孝行--いかにしてその罪悪感を減らすか、なくすかが課題だと思うのです。
親孝行か自己犠牲か、理想と現実の葛藤のドラマ。
老いた両親を持つ子供として介護とどう向き合い、どう取り組むべきなのか。
「優しさ」が「苦しさ」に変わる機微を捉えた本書が無理をせずに、
持続性ある介護のあるべき姿のヒントになると思います。
当代随一の本音コラムニストが、家族との関わり方について
独特の感性で認知症の父、母、姉と自分の家族のドラマを
笑いあり、涙あり、時に愛や憎しみもある実例として描きました。