最近「多動力」という言葉が流行っています。何かを成し遂げる「越境者」(=
起業家)にとって、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる「多動力」が
圧倒的に大事であり、それを身に着けることこそ、成功への第一歩だと言われ
ています。
でも、「多動」がすべてなのでしょうか。
多動力には共感できる部分が多くありますが、でもそれがすべてではありませ
ん。
むしろ、何者かになりたい人=起業家にとって一番大切なのは、「1か所に腰を
据えたうえで成し遂げる力」なのではないのでしょうか。「仕事」というもの
を地域のコミュニティー単位で考えたとき、あちこち動き回り次から次へ手を
出してビジョンとビジネスを広げていく人よりも、その地域に根ざし、その地
域のことを理解し、腰を据えて物事にしっかりと向きあっている人にこそ、仕
事をお願いしたと思うものです。そしてそれは、過疎化・少子化にさらされて
いる地方都市の現状を鑑みればなおのことではないでしょうか。
本書は、著者自身の実体験や経営コンサル経験、フランチャイズ経験をもとに
、「地元」を作ることがいかに大事であり、将来の自分に役立つか。そして、
そこで名士として扱われる人物が、いかに「何かを成し遂げた人物」であるか
を「静止力」として解説・提示し、生き方に迷っている若い世代が何者か=地元
の名士になるための一助になるように有用で役に立つ1冊を目指しています。決
して多動力のアンチではありません。