かくも人間は騙(だま)し、騙される。
フェイクニュース時代にメディアリテラシーを高めるための必須教養が「偽書(フェイク)の歴史」だ!
「ユダヤ人大量虐殺の根拠はなんと一冊の「偽書」にあった……」
本書では二十九の古今東西の「偽書」を挙げ、それがどのように世に出て、信じられ、「偽書」と暴かれたかを紹介する。
なかには、「偽書」と知らないで読んでいた本もあると思う。
この世界は奥が深く、「偽書」と断定できないものもけっこうあるのだ。(中略)
巷にたくさんあるフェイクニュースに騙されないためには、人類がいかに「偽書」に騙されてきたかを知る必要がある。
フェイクニュースの真贋を見抜く眼力を養うために本書を役立てていただきたい。
――――というのは本音だが、実はもうひとつの本音もある。
「偽書」は「読み物」として面白いのである。
もちろん、「偽書」と知ったうえでの話だが、多くの人が騙されるだけあって、実によくできている。
そういうわけで、不謹慎かもしれないが、本書は「面白い本」のガイドブックでもある。