日本はアジアでの孤立の道を選ぶべきではない。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)への日本の不参加宣言は、もはや外交敗北ですらない。アメリカが望まない選択は、そもそも情報が上に上がらないという、霞が関の恐るべき悪習により、端から情報収集不足、検討不足、結論ありきの明らかに戦略の失敗の結果だった。
北京在住のある日系金融機関代表は、これを「戦後70年にして日本の第2の敗戦」とまで言い切った。
日本は、再びアジアにおける孤立の道を選択しようとしている。
本書は、2015年末に迫った「AIIB」発足の経緯と背景、習近平政権の野望と日中の攻防、そしてアジアの近未来の姿を追う。
《章目次》
第1章 アジアが期待するAIIB
第2章 ブレトンウッズ体制に挑戦した中国の挫折
第3章 習近平政権とAIIB
第4章 アジアの新しい現実を直視できない日本