宮崎ジブリアニメの個々の作品では、以前に見た宮崎ジブリアニメの1シーンに酷似しているシーンに遭遇することがよくあります。
たとえば、『借りぐらしのアリエッティ』でも、「わすれもの」と記されたメモ書き、ネコバスに似たネコのしぐさなど、『となりのトトロ』やその他の作品を思い出させる場面が出てきます。そして、どの作品でも、必ず空を飛ぶ場面が必ず一度は出てきます。
似たようなモチーフが少しずつ変奏され、新たな作品に仕上がるとき、そこにはどんなメッセージが込められているのでしょうか。
本書は、個々の作品を単体で見ているだけではわからない、一連の「成長する」作品シリーズとしての視点を提示します。そう、宮崎ジブリアニメで成長しているのは主人公たちだけではありません。作品シリーズとしても成長しているのです。
≪目次≫
はじめに――希望としてのアニメーション
第1章 借りぐらしのアリエッティ(2010年)
第2章 風の谷のナウシカ(1984年)
第3章 天空の城ラピュタ(1986年)
第4章 となりのトトロ(1988年)
第5章 魔女の宅急便(1989年)
第6章 紅の豚(1992年)
第7章 耳をすませば(1995年)
第8章 もののけ姫(1997年)
第9章 千と千尋の神隠し(2001年)
第10章 ハウルの動く城(2004年)
第11章 崖の上のポニョ(2008年)
あとがき