文月夏子は夏が好き。本も好き。フリーランスの校正者として働くかたわら小さな個人書店でも働くWワークな現代人。東京の1Kアパートで夜更かししたり昼寝をしたりお月見をしたり…そんな気ままな一人暮らしをする夏子さんの日々は平穏そのものなのである。しかし大きな事件はなくても小さな事件はけっこう起きるもの。日記にも残らないような今日が画面の向こうじゃなくて、隣で触れる生活が案外充実しているのかもしれません。そんな夏子さんの暮らしを読めばマイペースに生きる手のひらサイズの日常の中で関わるすべてを愛おしく感じなんでもない明日が楽しみになる1冊です。