公爵令息のレオーネは『星《ステラ》』、伯爵令嬢のリシェルは『星の花嫁《フィオーレ》』という、それぞれ精霊の力を授けられた証をもって生まれた。
二人が結ばれることで王国の結界が守られるとして、生まれたときから婚約者となった。
ただ、婚約者といえどレオーネとは幼い頃に一度会ったきりで長らく隣国に留学しており、交流がなかったリシェル。
その間、母が亡くなり、後妻となった義母と義妹に虐げられ続けたリシェルは、レオーネとの結婚を望む義妹に入れ替わりを強要され、「シェリル」の名や花嫁の立場を奪われたあげく、人買いに売られてしまう。
リシェルは人買い商人とうまく交渉をし、素性を隠して騎士団で働き始めることにした。
しかし、上司となったのは、なんと留学から帰国したレオーネであり、義妹の名で仕事をしているリシェルの正体に気付いたのだ。
「幼い頃に一度会った時から、君に夢中だった」
レオーネに全力で口説かれ、彼の部屋に住まわされ、昼も夜も彼と一緒に過ごし、休みなく浴びせられる甘い言葉に溺死寸前。
けれど諸事情で義妹に名前と星の花嫁としての立場を奪われたことは明かせないまま、彼にどんどん惹かれてしまう……。
王国に結婚を決められた二人が、運命どおりに恋をし、幸せになるお話しです。
『義妹にすべてを奪われたのに元婚約者(上司)が溺愛してきます。(4)』には「第七章 問題発生。それでもあなたとひとつの未来を望むのです。」(後半)~「最終章 最後は絶対ハッピーエンドで。」を収録