風はいつも、彼女とともにあった……。幼くして実母と死に別れ、優しい義父と義母に育てられた布倉瞳子は、16歳にして初潮を迎えた。時を同じくして彼女に不思議な能力がめばえる。死期の近づいた人間がわかるようになってしまったのだ。そしてさらに奇怪な事件が立て続けに起こる。誰かに命を狙われている!? 不安におののく瞳子の前に、彼女の許嫁者だという少年が現れた。瞳子の夢の中から出現したような理想の少年、冬城。謎に満ちたその正体は? 過去の惨劇が甦るとき、激しく風が吹き荒れる! ロマンティック伝奇ホラー。電子版あとがきを追加収録。
●六道 慧(りくどう・けい)
東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。