100人の男がひしめく闇の中、
たくさんの手に、指に、愛撫されて…。
白い毛皮の獣は言った。「おまえの娘を所望する。代わりに大金持ちにしてやろう」
男と妻は猛反対したが、娘は承諾した。貧しい両親と、幼い弟妹のため。
獣の妻となった娘は、気がつくと、見たこともない見事な城の中にいた。
そこではどんな贅沢も思うまま。全身を飾り立てられ、豪華な寝台に寝かされ、
毎夜毎夜、暗闇に現れる逞しい男から激しく甘い愛撫を受け、恍惚の極みを味わった。
娘は男を愛するようになった。だが、あるときささいな約束を破ってしまい、
その男こそが夫で、呪いによって獣に姿を変えられた王子だったと知る。
王子と城は一瞬にして消え失せ、娘は荒野に取り残された。
娘は夫を取り戻す旅に出た。呪いをかけた女王が待つ、「太陽の東、月の西」の城へ。
そこには、100人の男たちが待っている。彼らは暗闇のなかで一人ずつ、娘を絶頂に導く。
娘は愛する夫を、闇のなかで見つけ出さねばならない……その愛撫だけを頼りに。