実験開始から4日目。
ついに彼が私の全身に舌を這わせる。
メリッサは通っている大学構内で募集されていた、ある“実験”に参加した。
謝礼の1000ドルがどうしても必要だったのだ。
心理学部主催のこの実験は、あてがわれた男性と密室で数時間、
指示されたとおりに触れ合い、どう感じたかを正直に報告するというものだった。
どの段階で“その気”になるかを見るのだそうだ。
そんなシチュエーションで見ず知らずの男性と触れ合うなんて、
気味悪さを感じこそすれ、ムラムラなんてするはずないわ。
実験初日は、4時間にわたって相手と手をつなぐという。
次の日は“ハグをする”。その次の日は“キス”。そしてその次の日は――。
考えるのはやめよう、1000ドルのためよ。メリッサは指定された部屋のドアを開けた。