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はみ出して、塗りきらないのがいい。迷った線も味になる──。描きたいものを描きやすく捉えて、素敵に魅せる「絵作り」のコツを学ぶことで、〈合間時間〉で十分に楽しめる絵の描き方が身に付きます。
前作『旅の時短スケッチ』の好評を受け、「旅」という非日常の対にある「暮らし」の時短スケッチを提案します。日々の生活の中で、ほんの少し絵が描けて、その絵が暮らしに役立ったら、ちょっと嬉しい。そんなささやかな楽しみを重ねていく気持ちを大切に、身近なモチーフの時短スケッチに取り組みます。
家で描く場合、出先でのスケッチと違って、落ち着いた環境でより幅の広い表現が可能です。それでも手を動かすのは小作であれば一枚5分や10分で十分。忙しい仕事や家事の合間に、また、落ち着いてほっとした瞬間に、心地よく集中できるひとときを楽しみましょう。
私たちは暮らしの中で、観察して気付いたものや、時を重ねて見えてくるもの、根付いた感覚を「大切にしたい」「伝えたい」「残したい」と考えます。スマホで撮るのもいいけれど、効果的にペンを走らせれば、自分だけの絵で残すことができます。本書では、描いた絵をさまざまなアイテムに仕立てて暮らしに活かし、大切な人と共有するアイデアも紹介します。
何気ない日常に隠された魅力を、時短スケッチで描きとめることで発見し、作品だけでなくその時間自体を描きとめ、より充実した人生を送るきっかけにしてください。