それいゆ文庫　ＢＡＲとこやみ営業中３

BARとこやみのオーナー・紅には、椿谷当主としてもう一つの顔がある。両親の死から間もなく7年。あれは本当に事故だったのか？ 吉祥寺の片隅、BARとこやみは大人の社交場として今日もにぎわっている。若きオーナー・椿谷紅は、男運がないのが玉に瑕の23歳。弟の蘇芳、幼馴染みの藤幡遊心や信頼おけるスタッフに支えられ、店を繁盛させている。 紅には椿谷家当主としてのもう一つの顔がある。森に囲まれた社殿『屍宮』を守ること――父が事故死して以来、毎年6月になると、深夜から夜明けまで祝詞を唱えつづける儀式を執り行う。これは椿谷家代々に受け継がれてきた使命なのだ。そう、彼女と蘇芳の両親は、不慮の事故で亡くなった。あの日、家には食事の準備が途中までされていた。出かける予定がなかった両親はどうして夕闇迫る時刻にそろって車で出かけていったのだろう。両親の死の真相を知りたい、知らなければならない。紅は決意する。その思いに、蘇芳と遊心も賛同してくれる。同時に、蘇芳は椿谷家の役目から紅を解放したいと考え、遊心は二人を守るために大学卒業に合わせて確執のある父や継母と決別する。両親の死は事故か他殺か、そして『屍宮』に隠されたものとは……？ 紅、蘇芳、遊心のアンダーグラウンド活劇いよいよ完結！