元東京都監察医務院長を務めた監察医である著者は、長年にわたり、変死体がなぜ死にいたったか、検死・解剖を行ってきた。
それをまとめた著書『死体は語る』は、65万部を超えるベストセラーになったが、今回、初めて「死体の再鑑定」についてまとめた本を書き下ろす。
著者の元には、警察、保険会社、および遺族から再鑑定の依頼が数多く寄せられる。
引き受けた著者は、なぜ最初の鑑定が間違っていたかを紐解いていく。
「溺死ではない、殺しだ。事故死ではない、病死だ。病死ではない、暴行死だ」。
最初の鑑定の嘘を暴いていく様は、上質なミステリーを読んでいるようにドラマチックだ。
ときには裁判所で、証人として最初の鑑定人と対峙したり、再鑑定の再々鑑定を提出したりと……事件は2転、3転。
まさに究極のノンフィクションミステリー。