あらすじ戦後の高度経済成長が始まった昭和30年代。碧は母と二人、名古屋の繁華街・大須で暮らしている。娯楽施設や商店がひしめき、個性的な面々が集うこの「ごった煮の街」で、アルバイトしながら足繁く映画館に通う碧の夢は将来、映画監督になること。人々が、つらいことを一瞬でも忘れるような映画を作りたい――。そんな碧の前にある日、一人の男が現れて……。街の移ろいや大人たちとの交流を通して描く、瑞々しい成長物語。 ※本作品は2018年4月に小社より刊行された『碧と花電車の街』を文庫化に際し改題したものです。