ふたりの国民栄誉賞を生んだ日本女子レスリングの強さの秘密とは?
女子アスリートとして初のオリンピック四連覇を成し遂げた伊調馨。リオこそ銀メダルに終わったものの、日本中に感動と勇気を与えた吉田沙保里。性格も違えば、闘い方も違う。共通項はともに地方出身で幼少の頃からレスリングに接してきたということだろう。周囲の証言からふたりを浮き彫りにしながら、女子レスリングの過去から現在、そして未来を綴るスポーツノンフィクション。
序章 リオデジャネイロの奇跡
第一章 女子レスリング、初めの一歩
男性にできて、女性にできないことは何ひとつない/日本女子レスリングのパイオニア/初めての世界選手権、そしてオリンピック/夜明け前、日本女子躍進の胎動
第二章 勝つことで牽引してきた吉田沙保里の矜持
たった三度の敗北/もっとレスリングが認めてもらえるように/ぶつけ合った17の思い/“最大のライバル”は現在/怖がりで意気地なしだった女の子/記録にも、記憶にも残るアスリート
第三章 V4を支えた伊調馨のレスリング愛
必要な時に1ポイントがとれるレスリング/獲りたかった同じ色のメダル/感覚を超える理詰めのレスリング/素顔のフォー・タイムス・チャンピオン/レスリングの探求者/伊調馨とは
第四章 リオでの結実は東京への序開
レスリングで世界はひとつ/女子レスラー育成理論/落ちこぼれが金メダリストになるまで/追いつき、追い越すことで強くなる/エリートからメダリストへ/次の世代にバトンを渡す