あらすじ神田から下谷、浅草界隈の質屋や金貸しの店先に、御布施を貰うまで経を読み続ける托鉢坊主が出没していた。そんな折り、高利貸しの徳兵衛が何者かに殺され、金と借用証文が奪われた。臨時廻り同心の白縫半兵衛は、徳兵衛殺しの探索を開始するが……。徳兵衛を殺めた下手人は一体誰なのか。そして、店先で怒鳴られ突き飛ばされ、水を掛けられても読経をやめない托鉢坊主の真の狙いとは? 「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十三弾。