「靴以外、全部脱いで。脚を広げて」
「怖い。でも…お願い」
ライアンとケイトは親同士が敵対する企業の社長同士という、ロミオとジュリエットだった。
学生時代、お堅い優等生だったケイトが遊び人の友達に連れていかれた秘密の乱交クラブで、まるで王のように君臨していたライアンを盗み見たときから、彼への欲望はケイトの脚の間で疼き続けた。
10年後、ケイトの父親が病に倒れ、彼女は倒産寸前の会社を立て直すべく社長職を引き継ぐことになる。
だが、同じく父親の会社を継いでいたライアンが、死にかけた獲物に襲いかかるハイエナのように買収に乗り出してくるのは時間の問題だった。
不思議なことに、ケイトは秘かに安堵していた。
会社だけじゃない、身も心も彼に服従する、絶好の機会が訪れのだ。
あのクラブで盗み見た行為のすべてを、今度はわたしにしてほしい……。