明治32年、信州、小諸の小諸義塾に教師の職を得た島崎藤村は妻の冬子と共にこの地に居を構え、教職の傍ら畑仕事を行い、町の人々や他の教師たちとの交流を深めながら日々の暮らしを営んでいた。
しかし自由平等がまだ夢であったこの時代、自由な校風を目指す彼らへの風当たりは強く、小諸義塾は徐々に苦しい経営を強いられてゆく。
やがて富国強兵を推し進める日本とロシアとの間に戦争が勃発。
時代はますます混迷の度を深めてゆくが、藤村はその流れに翻弄される事無く、小説家としての己の道を切り開いてゆくのだった。
「千曲川のスケッチ」「破戒」などの作品で知られる詩人、小説家の島崎藤村が信州、小諸で過ごした7年間を描いた高木達の脚本による演劇を小諸出身の漫画家小山田いくがコミカライズした作品!