知名度もビミョーで中途半端な印象の岐阜県。
しかし、日本のへそ、日本の重心、美濃を制する者は天下を制す、ともいわれる
日本のセンターにして交通の要衝。名古屋にもシッカリと依存し、中京(名古屋)圏の一角として産業集積も進み、発展も著しい。
さらには現代産業ばかりでなく、刃物、焼物、そして2014年末に世界遺産に登録された美濃和紙など伝統工芸も盛ん。
だが、発展しているのは名古屋に近く、交通の要衝に位置する美濃地方ばかり。
そうした影響もあり南北で明らかにコントラストが違う岐阜だが、それも仕方がない。
間が山で遮られていることもあるが、美濃と飛騨はもともと同じ国ではないからだ。
文化・風習・言葉・気質が違う。さらに歴史的にずっと疎遠な関係だったのに、強引にひとつの県にされてしまった因縁もあって、
今でも両者には目に見えない確執やライバル心、はたまた羨望めいたものも存在する。
本書では、美濃・飛騨双方の地域性や確執、問題点、名古屋依存体質などを取り上げ、
岐阜の素性を暴いていく。さらに県内各地の揉め事がいつまで続くのか? 南北融合は夢のまた夢なのか、
その未来を追求していくことにしよう。