長崎県のイメージの良さは九州7県の中でもトップクラスだろう。
好印象をもたらしている要因は歴史と地勢にある。
長崎の地は古くから海外への玄関口として機能し、
江戸時代には鎖国政策が敷かれている中、唯一諸外国との接点が持たれた場所だった。
そのため長崎には異国情緒に溢れた街並みが形成され、
閉鎖性と無縁で生きてきた人々は開放的な気質を持つに至ったとされる。
お隣の佐賀県とは余りにも対照的だ。
しかし、このイメージは長崎市を中心としたもの。
実際の長崎県は、外から見るよりはるかに複雑で統一感もない。
長崎はもともと小藩が割拠していたため、旧藩エリアごとに分立していてまとまりが悪いのだ。
ただ、県よりも地域単位の結合がやたらと強く、平成の大合併では地域ごとによくまとまり、
日本一の市町村減少率を記録した。
だがその過程がヒッチャカメッチャカだったせいか、今も不平不満がアチコチで噴出。
「開放的で進取な県」のイメージから程遠いこの姿……
長崎ってホントは典型的なローカル県なんじゃないの!?
本書ではこれら県内の問題点をひとつひとつ取り上げ、
県民気質に言及しながら長崎の本質を解き明かしていく。
どうか最後までお付き合い願いたい。