新潟県でイメージするもの。
豪雪、田中角栄、アルビレックス新潟……人によってさまざまだろうが、
リサーチすると「食」がもっとも多いそうだ。
なるほど、グルメに関心が無い人でも、
新潟と聞けば「コシヒカリ」ぐらいは思い浮かべるかもしれない。
魅力的な食コンテンツを持つ新潟の好感度は、
都道府県のなかでもけっこう高いのだ。
だがこれはあくまでも県外者の視点である。
飯がウマい、酒がウマい、名湯や自然が豊富――。
そんな新潟はまるでパラダイスのようだ。
しかし! その新潟から人が減り続けている。
おそらく県外者が感じる好印象とは裏腹に、
県の内側には大きな問題が潜んでいるのではないだろうか?
もともと新潟には驚くほど人がいた。
やがて大量の出稼ぎにより、人が県外に流出した。
さらに上越新幹線や関越道などのインフラ整備によって、
多くの若者が新潟を後にした。
県も人口の流出を食い止めたい。
でも雇用が無いから地元に留まらないし、出て行った若者も戻れない。
新潟にウマい飯はあっても、その食い扶持を得る手段が不足しているのだ。
さらに若者がいないから高齢化が進み、
過疎に怯える地域は広域合併に頼り、
多くの市町村(故郷の名前)が住民の願いむなしく消失していった。
廃れまくる新潟。
県は過去の栄光を取り戻そうとするかのように
「新潟州構想」を打ち出したが、それもどうなのよ!!
本書では新潟県を構成する
さまざまなファクターを取り上げて丹念に調査・取材し、
新潟の本質や問題点を探った(最後に提言もさせていただいた)。
これを読んでみなさんはどう感じるだろうか?
まあ、地酒でも飲みながら肩肘張らず読んでいただければ幸いです。