東北の中心地を自認する杜の都・仙台市。
市民は東北イチの大都市に住むことを自慢に思うが、
他市や他県民からは「その天狗っぷりが鼻につく」などとも思われていたりする。
が、データというのは残酷なもので、
実際東北地方に仙台市以上に重要な都市はない、というのは「事実」と断言できるだろう。
しかし、具体的に「仙台のイメージは」と聞かれると、
意外と多くは語れないとの声もある。
そんなことないぞ、歴史で伊達政宗がいて、食い物が美味い。牛タン最高。で……
あれ? 「街がデカい」以外となると、あんまり見どころないのかも!?
発展している都市というだけならば、それこそ日本全国にある。
仙台ならではという特徴となると、住民が思っている以上に「希薄」だったりもするのだ。
ならば大都市・仙台というのは伊達男たちが勝手に思い描いていた虚像なのか、
それともアピール不足なだけで、本当に重要で特徴的な要素があるのだろうか。
その辺を徹底調査していくのが本書の目的である。
が、すでに30を越える街を調査してきた本シリーズにあって、
今回は、やや特殊な構成にならざるを得なかった。
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、
仙台、宮城をはじめとした東北~関東の沿岸地域は多大なる被害を受けてしまった。
純粋な震災被害を語る本でもないので、基本的には「仙台/宮城と震災」という目線から、
そして希望も込めて「アレからどこまで復興したのか」という切り口で、
多くの紙幅も費やさせて頂いた。
そもそも仙台市とはどんな都市なのか、そして仙台市がこれから担うべき役割とは。
仙台市の実力は本当に「伊達じゃない」のか!?
とくとご覧頂きたい。